産業廃棄物は全部で20種類に分けられる

企業が事業を行う際に排出する廃棄物のうち廃棄物処理法で規定されている20種類が産業廃棄物です。

ここでは産業廃棄物の20種類の産業廃棄物、特別管理産業廃棄物について説明しています。

産業廃棄物とは

個人、企業などから排出される廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物に大きく分類されています。

なかでも産業廃棄物は、企業などが事業を行うことで排出された廃棄物のうち廃棄物処理法で規定されている20種類の廃棄物のことです。

具体例を上げると、焼却処理に伴って発生する燃え殻や、排水処理によって排出された汚泥などの廃油などが該当します。

また、産業廃棄物や一般廃棄物の中でも、爆発性や毒性、感染性など人体や、生活環境に影響を与える可能性がある廃棄物は、特別管理一般廃棄物と特別管理産業廃棄物に分類され、より厳しい規定が定められています。

産業廃棄物の20種類とは

公益社団法人日本産業廃棄物処理振興センターの資料によると、産業廃棄物を排出する業種が限定されて全部で２０種類に分類されています。

あらゆる事業活動に伴うモノ（１２種類）

廃活性炭や焼却の残り灰などは燃え殻、排水処理の汚泥、建設汚泥は汚泥、廃溶剤類などすべての廃油は廃油、すべての酸性廃液は廃酸、すべてのアルカリ性廃液は廃アルカリ、合成獅樹脂くずなどの合成高分子系化合物は廃プラスチック類、天然ゴムくずはゴムくず、研磨くずや切削くずなどの金属くず、鉱さい、ばいじん、に分類されています。

排出する業種が限定されているモノ（７種類）

建設業やパルプ製造業、製紙行、出版業、印刷物加工工業などから排出され紙くずは紙くず、建設業、木製品製造業、パルプ製造業、輸入木材卸業などから排出される木くずは木くず、建設業や繊維工場などから排出される天然繊維くずは繊維くず、養豚場や食品鳥処理業から排出される固形状の不要物は動物系固形不要物、食料品製造業や医薬品製造業などから排出される動植物由来の固形状の不要物は動植物性残さ、畜産農業から排出される動物のふん尿は動物のふん尿、畜産農業から排出される動物の死体は動物の死体、に分類されています。

コンクリート固形物など

上記の廃棄物の該当しない、産業廃棄物を処分するために処理するモノです。

そのほか産業廃棄物には、爆発性・毒性・感染性など人や自然環境に影響を及ぼす恐れの有る揮発油類・灯油類・軽油類の廃油、廃酸、廃アルカリ、感染性産業廃棄物、PCB汚染物、廃水銀、指定汚泥、鉱さい、廃石綿など、燃え殻、がいじん、は特別管理産業廃棄物に指定されています。

産業廃棄物の種類に合った適正な処理・処分

事業活動より排出される産業廃棄物といっても、さまざまな種類と処理の方法があります。

産業廃棄物の排出をする企業は、それぞれの種類を理解し、廃棄物の種類に合った適正な処理・処分を行うことが大切です。

産業廃棄物を自ら処理・処分している企業は多くありません。ほとんどの排出業者は、産業廃棄物の処理・処分を専門業者へ委託しているでしょう。

どちらの方法でも、産業廃棄物の処理・処分は産業廃棄物排出業者が責任をもって処理・処分しなければなりません。

産業廃棄物の処理・処分を委託する際は、委託業者の廃棄物の取り扱い品目を確認し信頼できる産業廃棄物処理業者へ委託しましょう。